
もろいため周りの土ごと採取され、保存加工されている。
今年度、横手市教育委員会が行った発掘調査で、全国的にも珍しい「烏帽子(えぼし)」が出土し注目を集めています。
烏帽子は昨年7月、平鹿町樽見内地内で、ほ場整備事業に伴う「堀田T遺跡」の発掘調査において見つかった墓の跡から出土しました。
烏帽子は年代測定の結果、平安時代の終わりから鎌倉時代前期にあたる
1163年から1221年ころのものと推定されています。
絹の糸を織って作られており、漆が塗られています。出土した烏帽子は非常にもろく、原形を保っていませんが、織られた繊維がはっきり見て取れます。

人工的な折り目が見て取れる。
烏帽子が遺跡から出土する例は全国的にも30数例しかなく、東北では7例目です。
埋葬されていたのは武士など高い地位にある人物とみられます。
遺跡からはほかにも建物跡などが見つかっています。
今回見つかった烏帽子は3月3日から14日まで、秋田市の秋田県立図書館で行われる「秋田遺跡発掘最前線2022」で展示される予定です。